古本屋の買取業務は、まさにプロフェッショナルの仕事です。
どんなに綺麗な状態の本であろうと、店主によって価値が低いと判断されたり、その古本屋が取り扱っている分野に合致しなかったりすれば、買ってくれないか、買ってくれてもあまり高い値段は付きません。
あるとき、古本屋で本をさがしていたら、店の雰囲気に明らかに似つかわしくない茶髪のいまどき風の若者が入ってきて、カバンから数冊の本を取り出し、レジの前に並べ始めました。
若者が「この本、売りたいんですが」と言わんとする瞬間、店の主人が「買わないよ!」と怒り口調で言い放ちました。若者はバツがわるそうな表情で、本をカバンに戻すと、足早に店から立ち去っていきました。
店主は数冊の本を見た瞬間にそれらすべてを“価値なし”と判断したのでしょうか、それとも“おまえのような場違いなやつから本は買わない”という意味だったのでしょうか……。
別の古本屋では、こんなこともありました。
野球帽をかぶったよく競馬場にいそうなおじさんがバカでかいデイバッグを抱えて店に入ってきました。
おじさんは、デイバッグを床に置き、なかから写真集やら雑誌のバックナンバーやらを大量に取り出し(たぶん20冊くらいだったと思う)、レジに座っていた店主に査定を頼みました。店主はひととおり本の内容を確認し、「全部で300円です」と買取価格を告げました。すると、おじさんは「300円だって! 冗談じゃない!」と憤慨し、デイバッグに本を詰めなおし始めました。
そうしているあいだに、どうやらそのおじさんの友だちらしい男性が店に入ってきました。
「300円だってよ。冗談じゃねえよな」と憤るおじさんに、その友だちはこう言いました。
「あの黄色い店に持っていったら」
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