古書会館でどのような本を仕入れてくるかは、それぞれの古本屋が専門とする分野、また店主の目利き(どの本にどれだけの価値があるのかを判断する能力)によって決まってきます。顧客から本を買い取る場合もそれは同じです。
いわば、古本屋に並んでいる本は、売り手が現れるまでは、店主が身銭を切って買い求めてきた店主の蔵書といえます。
これが「古本屋」と、ブックオフをはじめとする「新古本屋」との決定的な違いです。
新古本屋では、本の価値とは、すなわち状態が綺麗かどうかということを意味しており、値段もそれによって一律に決められます。
しかし、古本屋では、店主が知識と経験にもとづく価値基準のもとに、本の中身(著者はだれか、いかなる内容のものか、手に入りやすいものか否か、など)によって値付けを行なっています。だからこそ、古本屋によって、売値あるいは顧客が持ち込んでくる本の買値に差が生じる(その店によって、同じ本でも値段が異なってくる)のです。
もっと本質的に考えれば、新古本屋が本主体の、人間が本に操られている商売だとすれば、古本屋は店主が本そのものを含めて全体を取り仕切っている空間、いわば店主の城といえます。だからこそ、わたしたちは、古本屋に足を踏み入れるとき、多少なりとも緊張感を抱き、古本を大切に扱うよう心がける必要があるのです。
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